身寄りのない人の葬儀は誰に頼む?ゼロ葬を考えるときの相談先と確認事項
「自分が亡くなったとき、誰が葬儀を手配してくれるのだろう」「親族はいるけれど遠方で暮らしており、頼める関係ではない」「介護施設に入居しているが、死後のことまでは決まっていない」。このような不安から、ゼロ葬について調べる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
お墓を引き継ぐ人がいない方や、遺骨の管理を誰かに任せることが難しい方にとって、火葬後のお骨を手元に残さないゼロ葬は、検討できる選択肢の一つです。しかし、葬送の方法を決めることと、その方法を実際に手配できる体制を整えることは、別々に考える必要があります。
身寄りがないからといって、希望を持つことを諦める必要はありません。大切なのは、相談先を見つけ、連絡・契約・費用・火葬後の対応を一つずつ整理することです。この記事では、相模原市を中心に葬儀をお手伝いするアイセ・メモリアルが、身寄りのない方の葬儀とゼロ葬について、本人・ご家族・支援者の立場から確認したい点を解説します。
1.「身寄りがない」は、親族がいない場合だけではありません
身寄りがないという言葉から、配偶者も子どもも親戚もいない状況を思い浮かべるかもしれません。しかし、実際の相談では、親族がいても支援を頼めない場合があります。
長年連絡を取っていない、親族も高齢で動けない、病気や経済的事情で対応が難しい、関係上の事情から連絡を望んでいないなど、背景はそれぞれです。厚生労働省が公表する医療現場向けのガイドラインでも、親族がいない方に加え、家族に連絡がつかない方や家族の支援が得られない方を支援の対象として捉えています。
そのため、最初に整理したいのは、戸籍上の親族の有無だけではありません。「緊急時に連絡できる人はいるか」「葬儀社と話し合える人はいるか」「その人は、どこまでの対応を了承しているか」という実際の体制です。
友人や知人が気にかけてくれていても、葬儀の契約や費用の立て替えまで引き受ける意思があるとは限りません。親しくしていることと、死後の手続きを担うことを同じものとして考えず、本人と相手の双方が納得できる役割を確認しましょう。
2.葬儀社に相談する人と、契約する人・支払う人を分けて考える
身寄りのない方の葬儀では、「誰に頼むか」を一人の名前だけで決めようとすると、必要な確認が抜けやすくなります。少なくとも、次の役割を分けて整理してください。
- 亡くなったことを受けて、関係先へ連絡する人
- 葬儀社と内容を相談し、契約を行う人
- 葬儀費用を支払う人、または適切な手続きで支払いを管理する人
- 火葬後の遺骨や供養について、取り決めを確認する人
- 住居や遺品、各種契約など、葬儀以外の死後事務を担う人
同じ人が複数の役割を担うこともありますが、当然にすべてを引き受けるわけではありません。例えば、施設職員が葬儀社への最初の連絡を行う場合でも、その職員が契約者や支払者になるとは限らないのです。
相談の際には、「誰が窓口なのか」に加え、「誰の意思に基づいて依頼するのか」「どの費用を、どの資金から支払うのか」を確認します。本人の希望を記録した書面や契約書がある場合は、その存在も伝えてください。相談だけで契約や支払いの責任を負うと決めつけず、何を依頼する段階なのかを確かめながら進めることが大切です。
3.生前の相談は、葬儀社と地域の相談窓口を使い分ける
葬送の内容や見積もりを知りたいときは、葬儀社が相談先になります。ゼロ葬の対応範囲、搬送・安置の方法、火葬後のお骨の扱いなど、実際のサービスについて具体的に確認できます。
一方で、「葬儀を頼む相手がいない」「暮らしの支援も必要」「お金の管理や判断に不安がある」という場合は、葬儀社への相談だけで全体が整うとは限りません。市区町村の高齢者福祉・生活相談窓口や地域包括支援センター、社会福祉協議会などに、現在の困りごとを伝えることも考えられます。
これらの窓口は、地域の制度や相談先を一緒に整理する入口です。ただし、相談したことによって、その窓口が葬儀の契約者や保証人になるわけではありません。対応範囲は地域や事業によって異なるため、「相談に乗ってもらえること」と「実際に引き受けてもらえる業務」を区別して確認しましょう。
死後の手続きを継続して担う相手が必要な場合は、死後事務委任契約などを扱う専門家や支援事業者に相談する方法もあります。誰が何を行う契約なのか、費用はどう管理するのかまで説明を受け、ご自身の状況に合う仕組みを検討してください。
4.ゼロ葬で整理できることと、別に準備が必要なこと
ゼロ葬は、一般に通夜・告別式を行わず、火葬後の遺骨を家族が持ち帰らない葬送として紹介されています。ただし、具体的な内容や火葬後の対応は、事業者や利用する施設によって異なります。名称だけで判断せず、依頼先の説明を確認する必要があります。
アイセ・メモリアルのゼロ葬(尊厳葬)プランは、全骨委託による火葬のみの葬送形式で、ご面会不可・収骨を行わない内容です。お墓の継承や手元での遺骨管理に不安がある方にとって、検討する際の一つの選択肢になります。
ただし、ゼロ葬を選んでも、死亡時の連絡、葬儀の依頼、費用の支払いを行う体制は必要です。また、病院・施設への支払い、賃貸住宅の明け渡し、遺品の整理、相続などが、葬儀プランに当然含まれるわけではありません。
「お骨を残さないから、亡くなった後のことはすべて解決する」と考えるのではなく、葬儀に関する準備と、そのほかの死後事務を並べて確認しましょう。必要な対応を分けることで、葬儀社に依頼する部分と、別の専門家や支援者に相談する部分が見えやすくなります。
5.本人がゼロ葬を希望しているときに確かめたいこと
本人が「葬儀はいらない」と話している場合でも、具体的に何を望んでいるかは、丁寧に確かめる必要があります。「大勢の人を呼ぶ式は不要」という意味なのか、「お金をかけたくない」のか、「お墓の管理を残したくない」のかによって、合う方法は変わります。
特に確認したいのは、最後に誰かと対面してお別れすることを希望するか、お骨の一部でも残したいか、火葬後に個別のお参り先を持ちたいかという点です。費用への遠慮から、本来の希望を言い出せない場合も考えられます。
アイセ・メモリアルのゼロ葬プランでは面会と収骨を行わないため、その点に迷いがある場合は、最初の相談でお知らせください。火葬式や別の供養方法なども含め、希望に合う内容を検討することが大切です。
また、全骨委託後の供養・管理の方法、個別の返還が可能かどうか、合祀後の取り扱いも事前に確認してください。合祀後は原則として個別の返還ができないという説明を理解し、後から変更しにくい部分まで納得したうえで選びましょう。
6.成年後見人がいても、葬儀をすべて任せられるとは限りません
「成年後見人がいるので、亡くなった後も全部お願いできる」と考えている方は注意が必要です。成年後見による支援と、死亡後の葬儀・死後事務の手配は、そのまま同じ範囲ではありません。
裁判所の案内では、本人の死亡により成年後見は終了します。そのうえで、成年後見人には一定の条件のもとで行える死後の事務があり、火葬・埋葬に関する契約などには、家庭裁判所の許可が必要となる仕組みが示されています。また、成年後見人に、後見事務の一環として葬儀を執り行う権限まで与えられているわけではありません。
ここで大切なのは、ゼロ葬という名称であれば、後見人が自動的に契約・支払いを行えると判断しないことです。火葬、納骨、宗教的な供養など、依頼する内容を具体的に分け、本人の状況や必要な手続きを専門家と確認する必要があります。
保佐人・補助人・任意後見人についても、成年後見人と同じ手続きが使えるとは限りません。すでに支援を受けている場合は、生前から担当者に「死亡時には誰が連絡し、どの契約に基づいて、どこまで対応する予定か」を確かめておきましょう。
7.病院や介護施設の職員に、個人的な負担を残さないために
病院や介護施設の職員は、日頃から本人を支えている身近な存在です。そのため、本人が「最期もここでお願いしたい」と考えることはあるでしょう。しかし、日常の支援を受けていることだけで、職員や施設が葬儀契約、費用の立て替え、遺骨の引き取りまで担うとは限りません。
入院・入居中の方は、施設などとの契約内容を確認し、死亡時の連絡先、葬儀社、依頼を判断する人、費用の支払い方法を共有しておくことが大切です。親族がいても連絡を取りにくい場合には、その事情を伝え、必要な連絡や確認をどう行うか相談しておきましょう。
支援者の方は、本人の希望を聞く際に「施設がどこまで対応するか」もあわせて説明してください。本人の発言を記録すること、組織として対応を検討すること、外部の相談窓口につなぐことは、それぞれ別の段階です。
担当職員一人の善意や個人の電話番号だけに頼らず、異動や休暇があっても情報を確認できる形を整えましょう。本人の希望を大切にすることと、支援者が無理なく対応できることを、両方の条件として準備する必要があります。
8.頼める人がいないまま亡くなった場合は、自治体への相談が必要です
葬儀を行う人がいない、または対応できる人が分からない場合には、病院・施設などの関係者と自治体が連携して対応を確認することになります。厚生労働省の手引きでも、葬祭を行う人の有無や生活保護の状況などに応じて、自治体による埋火葬等につながる流れが示されています。
ただし、「身寄りがなければ、希望した民間プランを自治体が無料で手配してくれる」という意味ではありません。実施する内容、費用の取り扱い、遺留金品の確認などは、状況と関係制度に応じて判断されます。自治体による対応と、本人が生前に選んで契約する葬儀サービスは区別して考えてください。
葬祭扶助についても、身寄りがないという理由だけで自動的に利用できる制度ではありません。費用の支払いが難しい場合は、民間サービスを契約する前に、自治体の福祉担当窓口などへ相談することが大切です。
すでに亡くなられており、依頼する人が見つからない場合は、関係者だけで判断を急がず、現在の状況を自治体と葬儀社に伝えてください。「誰もいない」という言葉だけではなく、親族との連絡状況や既存の契約、本人の希望が分かる記録の有無を整理すると、必要な確認を進めやすくなります。
9.費用は、金額だけでなく「誰が支払えるか」まで確認する
生前に見積もりを取っていても、支払いの方法が決まっていなければ、いざというときに手配が止まることがあります。本人に預貯金があることと、支援者が適切な手続きでそのお金を使えることは別だからです。
費用を確認するときは、プラン料金に加え、火葬料、搬送距離、安置日数、火葬後の供養など、想定する条件での総額を確認しましょう。アイセ・メモリアルのゼロ葬プランは税込275,000円で案内していますが、火葬料は別途です。実際に必要な金額は、利用する火葬場などの条件を伝えたうえで、最新の見積書で確かめてください。
さらに、支払いの時期と方法、請求先、立て替えの有無を確認します。友人や施設職員が連絡窓口になる場合でも、その人が当然に費用を負担するわけではありません。請求や支払いの認識に食い違いがないよう、契約前に整理しておくことが必要です。
死後事務を含むサービスで費用を預ける場合は、預託金の管理方法、明細の報告、追加費用、解約・返金、事業者が対応できなくなった場合の取り扱いまで説明を受けましょう。葬儀費用と、別途依頼する支援業務の料金も分けて把握してください。
10.相談前にそろえておくとよい情報
相談の段階で、すべてが決まっている必要はありません。分かる範囲で次の情報を整理すると、何が未定なのかを確認しやすくなります。
- 本人の住所、現在の生活場所、入院・入居先
- 親族や友人などの連絡先と、引き受けてもらえる役割
- 本人が希望する葬送の内容と、面会・収骨についての考え
- 葬儀社や死後事務に関する相談・契約の有無
- 費用の準備状況と、支払いを担当する予定の人
- 火葬後の供養や遺骨の扱いについて確認したいこと
本人の希望を書いたノートは、周囲が考えを知る助けになります。ただし、希望を書き残すことと、引き受ける相手との契約が成立していることは同じではありません。連絡先や役割は相手の了承を得て記載し、実際に対応できるかを確認しましょう。
書類の保管場所も共有してください。誰にも見つけられない場所にしまってあると、必要なときに活用できません。一方で、通帳や暗証番号などの重要情報は、相談資料に不用意に書き込まず、適切な管理方法を別に検討することが大切です。
11.ゼロ葬を選んでも、故人を思う気持ちは大切にできます
身寄りのない方の葬儀を考えるとき、「簡素な方法では寂しいのではないか」と迷う方もいらっしゃるでしょう。大切なのは、規模だけで気持ちを判断することではなく、本人の希望と、関わる方が受け止められる内容を確かめることです。
お骨を手元に残さなくても、写真を見る、思い出を話す、心の中で呼びかけるなど、故人を思う時間を持つことはできます。ただし、それによって誰もが同じように納得できるとは限りません。最後に顔を見たい、お骨を少し残したいという思いがあるなら、決定前に伝えることが大切です。
支援者の側にも、長く関わった方を見送る悲しみや、「これでよかったのか」という迷いが生じることがあります。一人で結論を背負わず、関係者で確認した内容を記録し、気持ちについても話せる機会を持ちましょう。
まとめ|葬送の方法と、実際に動ける体制を一緒に整えましょう
身寄りのない方がゼロ葬を検討するときは、葬儀プランを選ぶだけでなく、亡くなったことを誰が伝え、誰が依頼し、どのように費用を支払い、火葬後をどうするかまで整理することが大切です。
葬儀社、地域の相談窓口、施設、専門家には、それぞれ異なる役割があります。一つの窓口に相談しただけですべてを任せられると考えず、必要な支援を具体的に確認していきましょう。まだ頼める相手が決まっていなくても、現状を相談することから準備は始められます。
アイセ・メモリアルでは、ゼロ葬について、サービス内容や費用、火葬後のお骨の扱いなどをご案内しています。「自分の場合は何を確認すればよいか」「施設から相談したい」「ゼロ葬とほかの見送り方で迷っている」という方も、まずは現在の状況とご希望をお聞かせください。ご面会や収骨を希望される場合は、その点も含めてご相談いただけます。
ご相談・お見積もりは無料です。お電話0120-915-362にて、24時間365日お問い合わせを受け付けています。
参考資料・関連ページ
制度とプラン内容は2026年11月3日時点の公開情報をもとに確認しています。個別の対応は自治体、契約内容、本人の状況に応じて確認が必要です。
- 厚生労働省「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」 https://www.mhlw.go.jp/content/000734018.pdf
- 厚生労働省「身寄りのない方が亡くなられた場合の遺留金等の取扱いの手引き(令和7年10月改訂)」 https://www.mhlw.go.jp/content/001518878.pdf
- 裁判所「成年被後見人の死亡後の死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結その他相続財産の保存に必要な行為についての許可」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_25_09/index.html
- 裁判所「裁判手続 家事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_kazi/index.html
- アイセ・メモリアル「ゼロ葬(尊厳葬)プラン」 https:
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