直葬の流れを葬儀社が解説|病院から火葬まで何をするの?
「病院で家族が亡くなり、葬儀社を呼ぶように言われた」「直葬を考えているけれど、何から始めればよいのかわからない」。大切な方を亡くした直後は、気持ちが追いつかないまま、さまざまな判断を求められることがあります。
直葬は、一般的に通夜や告別式を行わず、ご遺体を安置した後、火葬を中心にお見送りをする方法です。ただし、儀式を省く場合でも、病院からの搬送、安置、お身体の保全、納棺、死亡届や火葬許可の手続きなどは必要になります。「葬儀をしないので、そのまま病院から火葬場へ向かえばよい」というものではありません。
この記事では、相模原市を中心にご葬儀をお手伝いするアイセ・メモリアルが、病院で亡くなられた場合を想定し、直葬の流れとご家族が確認しておきたい点を解説します。実際の進め方は、病院、ご遺体の状態、火葬場、依頼するプランによって異なりますが、全体の流れを知っておくことで、落ち着いて一つずつ準備しやすくなります。
1.直葬とは?「火葬式」との違いも確認しましょう
直葬の特徴は、通夜や告別式を行わず、必要な準備を整えて火葬へ進むことです。参列する方を近親者に絞りたい、宗教的な儀式を行わないで送りたい、費用や準備の負担を抑えたいなど、選ばれる理由はご家庭によって異なります。
一方、「直葬」と「火葬式」の呼び方には、葬儀社共通の厳密な区分があるわけではありません。同じ意味で使用する会社もあれば、お別れの時間や納棺の内容などによって、別のプランとして案内する会社もあります。
そのため、名称や掲載価格だけで決めず、「いつ、どこで故人に会えるのか」「棺に花を入れられるのか」「火葬当日の立ち会いはできるのか」といった具体的な内容を確認することが大切です。直葬であっても、お別れの機会が必ずないわけではありません。ただし、対面やお花入れがすべてのプランに含まれるとも限らないため、ご希望を先に伝えましょう。
また、直葬は、火葬後のご遺骨をどうするかを決める言葉ではありません。収骨後に自宅でお守りするのか、お墓へ納骨するのかなどは、別に考える必要があります。ご遺骨の引き取りを希望しない場合も、通常の直葬とは条件が異なるため、必ず事前の相談が必要です。
2.病院から火葬までの全体の流れ
病院で亡くなられた場合、直葬はおおむね次の順序で進みます。
- 医師による死亡確認と死亡診断書の受け取り
- 葬儀社への連絡と病院へのお迎えの手配
- ご自宅や葬儀社の安置施設への搬送
- ご遺体の安置・保全とプランの打ち合わせ
- 火葬日時の調整と死亡届・火葬許可の手続き
- 納棺と、希望・契約内容に応じたお別れ
- 火葬場への出棺、火葬、収骨
火葬予約や打ち合わせ、各種手続きは、状況に応じて並行して進めます。ご家族がすべてを自分たちで手配する必要はなく、葬儀社がどこまで対応するかを確認しながら分担していきます。
ご家族の主な役割は、故人の希望やご予算を伝えること、安置先やプランを決めること、必要事項を記入すること、参列する方へ連絡することなどです。最初からすべてを決めようとせず、まずは病院からの移動先を確保するところから始めましょう。
3.医師の死亡確認後、病院で確認すること
病院で亡くなられた場合は、医師が死亡を確認し、通常は死亡診断書が作成されます。死亡診断書は、その後の死亡届や火葬許可の手続きに必要となる大切な書類です。受け取りの時期や窓口を病院へ確認してください。
病院では、お身体を整える処置やお着替えなどが行われる場合があります。処置の内容、費用、着せたい衣服を持参できるかなどは病院によって異なります。故人が愛用していた服を希望する場合も、準備のタイミングを病院と葬儀社に相談しましょう。
あわせて確認したいのは、お迎えの場所と時間です。病室ではなく霊安室や専用の出入口へ迎えに行く場合もあるため、葬儀社が到着した際の連絡先や、病院側の担当部署を確認すると引き継ぎがスムーズです。
入院費の精算、病室に残った荷物の整理、貸与品の返却などについても案内を受けましょう。搬送と同時にすべてを済ませる必要があるのか、後日の対応ができるのかを確認しておくと、ご家族の負担を分けられます。
4.葬儀社に電話するとき、何を伝えればよい?
葬儀社へ電話する段階で、葬儀の細かな内容が決まっていなくても構いません。「病院で亡くなり、お迎えをお願いしたい。直葬を考えている」と伝えれば、必要な確認を進められます。
電話では、次の情報をわかる範囲で伝えましょう。
- 病院名、所在地、病棟・霊安室などのお迎え場所
- 亡くなられた方のお名前
- 連絡する方のお名前、続柄、折り返しの電話番号
- 病院から案内されたお迎えの希望時間
- ご自宅への搬送を希望するか、安置施設を希望するか
- 直葬を希望していることと、おおよそのご予算
- 故人の体格など、病院から引き継ぐように言われた事項
安置先を決めていない場合は、そのまま伝えてください。「自宅に連れて帰れるかわからない」「家族が遠方なので、先に安置をお願いしたい」といった相談も可能です。
病院から葬儀社を紹介されることもありますが、紹介先へ葬儀全体を依頼することが必須とは限りません。自分たちで選んだ葬儀社へ連絡する場合は、病院へその旨を伝え、お迎えの見込み時間を共有しましょう。搬送だけを先に依頼する場合も、搬送費、安置先、後から葬儀社を変更する際の引き継ぎ条件を確認しておくと安心です。
5.病院からの搬送先は、自宅か安置施設
葬儀社の車両が病院へ到着したら、病院の職員と連携し、ご遺体を安置先へお連れします。搬送先として主に考えられるのは、ご自宅、葬儀社の安置施設、利用条件の合う斎場の安置設備などです。
ご自宅へお連れする場合は、お身体を安置できる場所だけでなく、玄関や廊下の幅、階段、エレベーター、車両を止められる場所などを確認します。集合住宅でも搬送できる場合はありますが、建物の状況によって対応が変わるため、事前に葬儀社へ伝えましょう。
ご自宅への安置が難しい場合は、安置施設を利用する方法があります。ただし、施設によっては面会が予約制であったり、面会可能な時間や回数に制限があったりします。お預かり専用で面会に対応していない場合もあるため、「預けた後に会えるか」は必ず確認したい点です。
費用を優先して安置先を決めた後で、ご家族が故人に会えないと知り、戸惑うこともあります。直葬を検討する際も、安置中のお別れを大切にしたいのか、火葬当日に対面したいのかを先に伝えておくと、希望に合う選択につながります。
6.直葬でも安置が必要になる理由
直葬でも、亡くなられた後すぐに火葬できるとは限りません。日本では、法令上の例外を除き、死亡後24時間を経過する前に火葬することはできません。このため、病院からお迎えした後は、通常、安置する時間が必要です。[1]
また、24時間が経過すれば必ず火葬できるという意味でもありません。火葬場の予約状況、休場日、手続きの進み具合、ご家族の到着予定などによって、火葬までの日数が変わります。「直葬なら必ず翌日に終わる」と決めつけず、葬儀社へ実際に予約できる日時を確認しましょう。
安置中は、ドライアイスや保冷設備などを用いて、お身体の状態に配慮します。必要な対応は、お身体の状態、季節、安置環境、火葬までの日数によって異なります。ご家族だけで判断せず、葬儀社から説明を受けてください。
プランに含まれる安置日数や保全処置の範囲も確認が必要です。火葬待ちが長くなった場合に、安置料やドライアイスなどの追加費用がどのように発生するかを聞いておくと、最終的な支払額を把握しやすくなります。
7.打ち合わせでは、金額とお別れの内容を具体的に決める
安置の前後に、直葬の内容について打ち合わせを行います。ここでは、参列する人数、希望する火葬場、日程、ご予算、お別れの方法などを確認します。
見積もりでは、表示されているプラン料金だけでなく、火葬までに必要な費用の総額を確認してください。搬送車両、棺、骨壺、安置、お身体の保全、手続きの対応、火葬場への移動、当日の案内などが、どこまで含まれているかを一つずつ見ていきます。
火葬料は、葬儀社のプラン料金とは別になる場合があります。利用する火葬場や住民区分などによって条件が変わるため、誰の住所を基準に判定するのかも含めて確認しましょう。距離による搬送料の加算、深夜・早朝の対応費、安置日数の延長、追加のお花などについても、発生条件を説明してもらいます。
お別れについては、「棺のふたを開けて会えるのか」「花を入れる時間はあるのか」「どの場所で何分程度のお別れができるのか」まで具体的に確認すると、認識の違いを防げます。希望する対応がプラン外の場合は、追加料金と実施できる条件を確認したうえで判断しましょう。
8.死亡届と火葬許可の手続きはどう進める?
火葬を行うには、死亡届の提出と火葬許可の手続きが必要です。死亡届は、通常、死亡診断書と一体になった用紙を使用し、届出人となる方が必要事項を記入します。国内での死亡については、原則として死亡の事実を知った日から7日以内に届け出ます。[2]
葬儀社が書類を窓口へ持参することもありますが、届出人と、窓口へ書類を運ぶ人は別です。相模原市でも、届出人が記載した届書を、使者が窓口へ持参できると案内しています。ご家族が記入する部分や必要な情報は、担当者に確認しましょう。[2]
死亡診断書は提出前にコピーを残しておくと、保険金の請求などの手続きで役立つ場合があります。ただし、必要書類は手続き先によって異なり、コピーですべて対応できるとは限りません。提出先の案内に従って準備してください。
また、死亡届を提出できる時間と、火葬許可証を受け取れる時間は同じとは限りません。相模原市では、時間外の届出は預かりとなり、埋火葬許可証等をその場で発行できない場合があります。火葬日時に間に合うよう、窓口の取扱いまで確認して進めます。[2]
相模原市営斎場を利用する場合は、火葬炉の予約を行ってから死亡届や火葬炉利用承認申請へ進む案内になっています。市外で死亡届を提出する場合にも別途必要な手続きがあるため、予約先と届出先を整理しておくことが大切です。[3]
9.納棺までに、ご家族が準備できること
火葬に向けて、故人を棺へお納めする納棺を行います。納棺の時期やご家族が立ち会えるかどうかは、安置施設やプラン、お身体の状態などによって異なります。立ち会いを希望する場合は、打ち合わせの段階で伝えておきましょう。
ご家族が準備できるものとしては、着せたい衣服や、棺に入れたいお手紙、お花などが挙げられます。ただし、すべてを棺に入れられるわけではありません。火葬炉やご遺骨への影響、安全上の理由から、副葬品には制限があります。
ガラス、金属、電池を含む物、燃えにくい物などは、自己判断で入れず、事前に担当者へ相談してください。写真や思い出の品も、素材や量、火葬場の規定によって取扱いが変わります。ペースメーカーなどの医療機器があるとわかっている場合も、病院と葬儀社へ必ず伝えましょう。
また、直葬だからといって、すべての親族が同じ考えとは限りません。故人の希望、直葬を選んだ理由、会える場所と時間、火葬日時を、関係する方へ早めに共有しておくと、後から「会いたかったのに知らなかった」という行き違いを防ぎやすくなります。
10.火葬当日のお別れと出棺
火葬当日は、安置先から火葬場へ出棺します。ご家族が安置先に集まる場合と、火葬場へ直接集合する場合があるため、前日までに集合場所、時刻、車での移動方法を確認しましょう。
お別れの時間を設ける場合は、安置先で行うのか、別のお別れ場所を使用するのかなどを事前に決めます。火葬場で必ずゆっくり対面できるとは限りません。炉前の利用方法や時間には施設ごとの制約があるため、「火葬場に着いてから花を入れればよい」と考えず、希望する内容を前もって相談してください。
当日の持ち物は、担当者から案内された必要品を優先します。火葬許可証などの書類を誰が持参するか、骨壺を誰が用意するかについても、担当者とご家族で確認しておきましょう。
服装については、ご家族の意向に合わせて考えます。喪服を着用する場合も、落ち着いた服装で見送る場合もありますが、参列者の間で案内をそろえると迷いが減ります。高齢の方やお子さまが参列する場合は、気温に応じた衣服や休憩の取り方にも配慮しましょう。
11.火葬中の待機から収骨まで
火葬場へ到着すると、職員や担当者の案内に従って進みます。火葬に必要な確認を終え、施設と契約内容に応じたお別れを行った後、火葬となります。
火葬中は、指定された待合場所などで待機します。所要時間は火葬場や当日の状況によって異なるため、その後の予定を詰め込みすぎないようにしましょう。待合室の利用、飲食、人数の上限なども施設によって異なります。
火葬後は、案内に従って収骨を行い、ご遺骨を骨壺へお納めします。収骨の方法や範囲には地域・施設による違いがあるため、ご希望がある場合は事前に確認してください。
火葬済みの証明が記載された許可証など、納骨の際に必要となる書類も大切に保管します。葬儀社がいったん受け取る場合は、どの書類を誰へ渡したかまで確認しましょう。骨壺と一緒に保管するときも、後から取り出せる場所にあるかを把握しておくことが大切です。
12.直葬を選ぶ前に確認したい、供養と気持ちのこと
直葬を行った後に、納骨や法要、お別れの会を考えることもできます。葬儀の形と、その後の供養の方法は分けて検討できるため、すべてを火葬前に決めようとする必要はありません。
ただし、菩提寺があり、そのお寺のお墓へ納骨する予定がある場合は、直葬を決める前に相談しておきましょう。葬儀や戒名、納骨に関する考え方はお寺やご家庭によって異なります。「火葬を終えてから初めて連絡する」ことで話が難しくなることを避けるためにも、予定がある場合は早めの共有が大切です。
また、費用や日程の負担を抑えることと、ご家族が納得できるお別れになることは、どちらも大切です。「大きな儀式は必要ないけれど、最後に顔を見たい」「お花を少しだけ入れたい」といった希望は、遠慮せず言葉にしてみてください。
大切な方を亡くした後の感じ方に、正解や決まった順序はありません。すぐに涙が出る方も、手続きの間は実感が湧かない方もいます。直葬を選ぶ場合も、ご家族が無理なくできるお別れを、一つずつ考えていくことが大切です。
13.直葬についてよくあるご質問
病院から直接、火葬場へ連れて行けますか?
通常は、いったんご自宅や安置施設へお連れします。死亡後24時間以内の火葬は原則として認められておらず、火葬場の予約と必要な手続きもあるためです。病院から移動する時点で火葬できる条件が整うとは限らないので、まず安置先を葬儀社と相談してください。[1]
直葬なら、僧侶への依頼は必要ありませんか?
必ず僧侶へ依頼しなければならないわけではありません。ただし、ご家族の希望や菩提寺との関係によって、読経などを希望する場合もあります。宗教者を依頼する場合の場所や時間、費用は別に確認しましょう。
数人だけでも、火葬に立ち会えますか?
少人数で立ち会う形も考えられます。立ち会いの有無、集合場所、移動方法はプランによって異なるため、見積もり時に確認してください。参列する方が増える可能性がある場合も、わかった時点で担当者へ伝えましょう。
病院へ迎えに来てもらう前に、支払総額を確認できますか?
わかっている条件を基に概算を確認し、追加となり得る項目を聞くことは大切です。ただし、安置日数や搬送距離などが未確定の場合、最終額が確定しないこともあります。「現時点の見積額」と「どの条件で追加が生じるか」を分けて説明してもらいましょう。
直葬を希望していても、途中でお別れの内容を変更できますか?
手配の進み具合や施設の空き状況によって対応が変わります。変更に伴う費用が発生する場合もあるため、気持ちが変わったときは早めに相談してください。「最初に直葬と伝えたから何も変更できない」と、一人で抱える必要はありません。
14.直葬の相談では「何を省くか」と一緒に「何を大切にしたいか」を
直葬は、通夜や告別式を行わないお見送りですが、搬送、安置、お身体の保全、必要な手続き、納棺、火葬、収骨という大切な過程があります。ご家族だけで一度に進めようとせず、担当者と確認しながら準備していきましょう。
後悔を減らすために確認したいのは、費用の総額、安置中の面会、お別れの場所と時間、火葬日時、そしてご遺骨のお迎え先です。ご家族にとって大切なことが明確になるほど、必要な内容を選びやすくなります。
アイセ・メモリアルへご相談の際は、「病院からのお迎えをお願いしたい」「直葬を考えているが、最後に顔を見たい」「相模原市営斎場を利用したい」など、現在のお気持ちをお聞かせください。安置先や火葬場の状況を確認し、ご希望とご予算に合わせて、具体的な進め方をご案内します。
葬儀の形が決まっていない段階でも構いません。まず必要なことから一つずつ整理し、ご家族が納得できるお見送りを一緒に考えていきます。
参考資料
[1]厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律」第3条・第5条
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=79149000&dataType=0&pageNo=1
[2]相模原市「死亡届」「死亡届の手続方法について知りたい。」
https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kurashi/1026448/tetsuzuki/1026455/1005986.html
https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/shisei/1026875/faq/koseki/1000691.html
[3]相模原市「施設案内 相模原市営斎場」
https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kurashi/shisetsu/shikanren/etc/1002725.html
※手続きや施設の利用条件は変更される場合があります。実際のご利用時には、自治体・火葬場の最新案内とお申し込み内容をご確認ください。
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