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終活とは?始めるタイミングや内容を解説【動画あり】

終活を始めたいと考えてはいるものの、どうすればいいのかわからないという人も多いでしょう。
終活とはライフスタイルを見直して、この先の人生をポジティブに生きるためのもの、死後遺された家族に負担をかけないよう資産などの整理を行うことです。
では、いつ頃から始めるべきなのか。具体的にどんなことをすればいいのでしょう。今回は終活を始めるタイミングや内容について解説します。

終活とは自分らしい人生を真っ当するための準備

終活は死と向きあい、最期まで自分らしい人生を送るための準備です。
日本の高齢化が進むなか、映画や書籍で取り上げられ、2010年の新語・流行語大賞にもノミネートされました。

● これまでの人生を振り返る

● 残される家族のことを考える

● やり残したこと・叶わなかった夢などを書き出す

● 友人や今までお世話になった人たちへの思いを書き出す

このように人生の終焉に向かい、これからできることとできないことを整理し、死に対する現実的な事前準備を行うとともに、今をよりよく生きるための活動が終活です。

終活は65歳までに始めるのがおすすめ

一般的に終活を始める時期は60〜70代になってからがほとんどですが、最近は40〜50代から始めるケースも増えています。

健康寿命(自由に動ける最後の年齢)を目安に終活を始めるのもいいでしょう。2013年のデータでは、男性71歳・女性74歳となっていて、平均寿命と比べると10年近く差があります。
自由に動けなくなる前に終活を済ませるためには、65歳くらいまでには終活を始めることをおすすめします。

早く始めて困ることはありません。むしろ早いうちから用意しておいたほうが、物事をじっくり考えてしっかり判断できるでしょう。

子育てが終わり、定年退職を迎えた頃など人生の節目をきっかけに初めて見るのもおすすめです。自身や家族が病気になった時なども、将来の不安を解消するため終活について考えるいいタイミングとなるでしょう。

終活で行う4つの内容

終活で行うものは大きく分けて4つあります。

1. 身の回りのものを生前整理する

家族が亡くなった人にとって、頭を悩ますものの1つに遺品整理があります。自分たちでは整理しきれず専門業者に依頼する人も多いですが、その費用も負担になります。

今のうちに断捨離したり、処分が必要なものについては
どのように処分するかをはっきりさせることで家族の負担が軽くなります。

意外と見落とされがちなのが「デジタル終活」です。
PCやスマホなどデジタル機器に保存されているデータについても整理が必要です。

● 写真や動画

● アドレス帳の個人情報(電話番号やメールアドレスなど)

● クレジットカード・電子マネー・電子決済の情報

● ネットバンク・オンライントレードの取引情報

家族に残しておきたい写真や動画はディスクなど記憶媒体にまとめておき、その保管場所を伝えておきましょう。
人に見られたくないデータも自分で処理しておくか、処理・処分の意思をはっきりさせておきましょう。

2. エンディングノートを書く

エンディングノートに書く内容は特に決まっていません。
自分の死後、遺された家族に伝えておきたいこと、かかる負担を減らすためのものです。

ノートに書くことで気持ちが整理されて、今後やるべきことを改めて発見できます。項目に分けて書いていくと書きやすく、後になって読みやすいでしょう。

● 本人情報
(名前・生年月日・血液型・本籍地・マイナンバーなど)

● 自分史
(学歴・職歴・結婚・出産・マイホーム購入時期・家族との記念日・幼少期からこれまでの思い出・特技・趣味など)

● 交流のあった人の連絡先
(家族・兄弟・親戚・養子・家系図のほか、友人・職場関係者・恩人の連絡先など入院や葬儀の際に知らせて欲しい人のリスト)

● 財産について
(預貯金の口座番号、公共料金やクレジットカードの引き落とし情報、基礎年金番号・保険番号、人に貸しているお金、借入金・ローン、有価証券など)

● 遺言書について
(遺言書の有無と保管場所など)

● 介護・医療について
(いつも飲んでいる薬、希望する介護や医療施設、財産管理の後見人、終末期医療や臓器提供・献体について、治療方針の決定者など)

● 葬儀について
(喪主・宗教・宗派、戒名や葬儀業者、遺影写真、参列者など)

● お墓について
(埋葬方法、墓地の所在地・使用権・継承者、購入する場合の希望墓地と費用、お供物や手入れなど)

死後、遺族は健康保険や年金の資格喪失届や、生命保険の申請、公共料金の名義変更やクレジットカードの解約などさまざまな手続きが必要になります。

その際に、保険の種類がわからない、印鑑・通帳が見つからないなど困らせないようにしておきましょう。
ノート紛失や盗難の可能性も考えて暗証番号やクレジットカード番号は別の場所に記載し、その場所はごく限られた人物だけに教えるのも1つの方法です。

銀行口座に関しては、死後凍結されるため、当座の出費に備えて現金を用意しておくこともおすすめします。

葬儀については、葬儀社を自分で選び生前予約するケースもあります。葬儀の規模や費用、支払い方法など自分の意思を反映できますし、家族に精神的・金銭的負担をかけたくない人におすすめです。
ただし、葬儀社選びには、信頼おける業者であるか、経営状態、葬儀プランの変更・解約が可能かなどをしっかり確認しておく必要があるでしょう。

3. 遺言書を書く

遺言書は財産の相続人や分配方法、子どもの認知など法的効力があるものについて書かれたものです。
遺産を相続する場合、借金も肩代わりする必要があったり相続税もかかることから、トラブルを事前に防ぐためにも遺産相続についての詳細を明確にしておきましょう。

主な遺言事項は以下の5事項です。

1. 身分に関する事項

2. 相続に関する事項

3. 遺産処分に関する事項

4. 遺言執行に関する事項

5. 祭祀主義者(喪主)の決定・生命保険金受取人の指定・変更に関する事項

遺言書の効力はその人が亡くなってから発揮されるものですから、エンディングのノートとは違い、生前の情報について書かれることはありません。

ただし、遺言書に法的効力を持たせるには、以下のような正式な遺言書である必要があります。

● 自筆詔書遺言
(自分で手書きした遺言書。遺言内容の理由と作成年月日を明記すること)

● 公正証書遺言
(公証役場の公証人によって作成・発行・保管されたもの。確実・真正性は高いが、作成期間がかかり、費用がかかる)

● 秘密証書遺言
(自分で作成し署名捺印・封印した遺言書を公証役場で保管してもらう。記載に不備があるか確認はされないため、開封時に無効となる可能性がある)

以下のようなケースでは遺言書が無効となるので注意が必要です。

● 手書き以外の自筆証書遺言

● 押印・作成した日付の記載がない(日時が特定できない)

● 署名がない

● 本人以外の人が作成した(公正証書遺言は除く)

● 共同(2人以上で作成した)

● 公証人が2人以上いない状態で作成したもの

● 公証人に口頭ではなく身振り手振りで伝えた

● 相続する財産内容が不明確

4. お墓を決める

入るお墓を決めます。
先祖代々のお墓がある場合でも、入りたいお墓がある場合は家族に知らせておきましょう。

ポイントは以下の通りです。

● お墓の種類(民営・寺院・永代供養)を決める

● 宗派、立地条件・設備、費用、環境の希望に合わせて決める

【まとめ】

終活は自分と家族が自分らしくまっとうに生きていくためのもの

終活をすることで、限りある人生を有意義に過ごそうという気持ちが高まり、前向きになれます。
終活を始めるのは、退職して時間にゆとりが生まれてくる60〜70代になってからのケースがほとんどですが、それより早く始めてもデメリットはありません。

むしろ早く始めたほうがじっくり考えて行動できるのでおすすめです。出産・入院・親の介護など人生の節目や健康に不安が出てきた時をきっかけに始めてみるのもいいでしょう。
終活は主に身の回りのものの生前整理やエンディングノート・遺言書の作成、葬儀の生前予約やお墓の準備などを行うものです。

周りに迷惑をかけないようにと気を配るのも大切ですが、それ自体がストレスになってしまうこともあります。周囲を慮るのもいいですが、これからの人生に向けての活力を見つける時間も大切にしてください。

終活は決してネガティブなものではなく、充実したセカンドライフを送るために必要なものと考えて、ポジティブな気持ちで取り組みましょう。

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この記事を書いた人

小林 栄樹(事業本部長)

資格
・厚生労働省認定 葬祭ディレクター1級
・グリーフケアアドバイザー1級

神奈川県に生まれ、愛川町半原の自然豊かな町で育ちました。
営業職を経験後、葬儀業界に身を投じて20年以上の大ベテランです。
納棺師を運営する会社で「現場~マネージャー」の経験を経て葬儀社に転職しました。その後、老舗・中堅葬儀社など様々な現場責任者の経験を積み、現在のアイセ・メモリアル神奈川にて主に運営・管理者として精進しております。
趣味はサウナ・ゴルフ・妻とグルメドライブで、家族を一番大切にしています。
座右銘は「我即宇宙・我以外皆我師」です。

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