三回忌とは?当日の流れや注意点を解説
三回忌は四十九日や一周忌と並んで特に大切な法要です。
そのため、施主は会場の選定や参列者の招待、会食のセッティングなど、早い時期から準備を進める必要があります。
また、おごそかに故人を供養するため、招かれた側もマナーを守って参列しなければなりません。
こちらの記事では、三回忌についての基本的な知識や、香典の相場、服装などのマナーについて分かり易く解説します。
三回忌とは
はじめに三回忌を行う意味や、一周忌との違いについて解説します。
三回忌は故人を供養するための大切な法要
三回忌は故人が亡くなってから満2年で行われる法要です。
四十九日や一周忌と並んで大切な法要とされ、故人の友人や生前に縁のあった方も招いて盛大に執り行います。
亡くなってから3年目を迎える故人の冥福を祈り、その霊を供養するための仏教行事です。
一周忌の翌年に行う法要が三回忌
一周忌は故人が亡くなってから1年後の祥月命日に行われる法要を指します。
三回忌が行われるのは一周忌の1年後です。
亡くなった年に葬儀や四十九日、翌年に一周忌、さらに翌年に三回忌と3年連続で法要がある点に注意してください。
ここで一周忌の翌年が二周忌や二回忌ではなく、三回忌と呼ばれることに疑問を持つ方もいるでしょう。
回忌で数える際は亡くなったその年の葬儀を一回忌とし、そこから1年後の法要を二回忌、さらに翌年を三回忌とします。
つまり一周忌は二回忌でもあるということです。
ただし、周忌を用いるのは一周忌のみで、以降の主要な法要は三回忌、七回忌、十三回忌と呼びます。
一周忌と三回忌では当日の流れに大きな違いはありませんが、一周忌は喪中期間が終わる節目の日です。
また、四十九日までにお墓の用意が整わなかった場合などは、一周忌のタイミングで納骨を行うこともあります。
三回忌の準備にしておきたい4つのこと
三回忌を執り行う際に準備しておきたい4つのことを解説します。
三回忌は親族だけでなく故人の友人や所縁のある方々も招いて行われるため、準備に時間がかかります。 余裕を持って準備を進めておきましょう。
三回忌の準備は次のような手順で進めていきます。
1. 日程と会場を決める
2. 案内状の送付
3. 会食(お斎)のセッティング
4. 香典返しの手配
1.日程と会場を決める
まずは日程と会場を決めましょう。
日程は故人の祥月命日が理想ですが、近年では週末に行うことも多くなっています。
その場合は祥月命日より前に済ませることが慣わしです。
葬式と違い、三回忌では友引でも問題ないとされています。
三回忌の会場としては菩提寺、自宅、斎場が一般的です。
いずれの会場を選ぶにせよ、早めに場所を押さえないと希望の日時で法要を行えないこともあります。
僧侶の都合もあるので、日程が決まった時点で菩提寺に相談するようにしましょう。
2.案内状の送付
日程と会場が決まり次第、法要に招きたい方へ案内状を送り、参列の可否を確認します。
招待状には以下のような内容を記載しましょう。
- ● 誰の三回忌か
- ● 日時と会場
- ● 会食の有無
- ● 参列の可否
- ● 返信期日
案内状は返信用封筒を同封するか、往復はがきを利用します。
参列者の数が確定しないと会食の人数や香典返しの個数も決めることができません。
返信期日を設け、早めに返答を貰えるようにしましょう。
近親者であれば電話などで直接確認しても構いません。
3.会食(お斎)のセッティング
参列者の数が確定したら、会食の準備も進めていきます。
会食の場所はなるべく法要の会場から近い場所、もしくは移動が容易な場所を選ぶようにしましょう。
法要を斎場で行った場合はその場で会食を開くこともでき、準備の手間が省けます。
お店を予約する場合は事前に三回忌法要での利用であることを伝えておきましょう。
そうすることで、鯛や海老など慶事用の食材の使用を避けることができます。
お寺や自宅で会食を開く場合は、お寿司や仕出し弁当の配送サービスが便利です。
4.返礼品の用意
参列者の香典に対する返礼品(香典返し)準備も必要です。
こちらも参列者の人数が決まったら準備を進めましょう。
ギフト専門の業者に依頼をすれば、法要に適した熨斗付けも行ってくれます。
菩提寺がない場合は葬儀社に相談する
昨今では諸所の理由により菩提寺を持っていないという家庭も珍しくありません。
そのような場合は葬儀社に相談すれば、お寺や僧侶を紹介してもらうことができます。
また、近年ではインターネットを利用した僧侶手配サービスもあるので、そちらの利用も検討してみてください。
お布施の相場は30,000~50,000円
三回忌で僧侶に渡すお布施も用意しておきましょう。
お布施の額はお寺によって異なるため、金額が分からなければ直接お寺に問い合わせても問題ありません。
稀に「お気持ちで」と具体的な金額が示されないこともありますが、その際は相場である30,000~50,000円の金額を参考に包みましょう。
お布施以外にも、僧侶をお寺以外の場所に招く際は「お車代」や僧侶が会食に参加しない場合は「御前料」を渡します。
金額の相場はそれぞれ5,000~10,000円が一般的です。
三回忌当日の一般的な流れ
三回忌の流れは流派や地方によって違いはありますが、ここでは以下のような一般的な流れに沿って説明していきます。
- 1. 施主の挨拶と僧侶入場
- 2. 読経と焼香
- 3. 僧侶による法話
- 4. 僧侶退席
- 5. 施主による挨拶
- 6. 会食(お斎)
1.施主の挨拶と僧侶入場
法要のはじめに施主が参列者に向かって挨拶を行います。
ここでは参列いただいたことへの感謝を一言伝え「これより故○○の三回忌法要を行います」と述べて簡潔に済ませます。
施主の挨拶が終わると僧侶が入場し、着席します。
自宅の場合は僧侶が座るための仏壇用座布団を用意しておきましょう。
2.読経と焼香
僧侶の読経が始まるとその途中で参列者による焼香を促されます。
焼香の順番は前に着席している人(故人に近しい人)からです。
焼香の作法は宗派によって異なることもあるので、事前に調べておくとよいでしょう。
3.僧侶による法話
法話は仏教の教えを分かりやすく説いたものですが、5分程の時間で僧侶のお話を頂戴するのが一般的です。
僧侶と故人の関係によっては思い出話によって故人を偲び、法話のかわりとすることもあります。
4.僧侶退席
僧侶が退席したタイミングでお布施やお車代を渡すのが一般的です。
お布施を渡すときは黒いお盆の上に置いて差し出すのがマナーです。
用意がなければ普通のお盆でも構いません。
5.施主による挨拶
僧侶が退席したら再度施主が挨拶を行い、法要が終了します。
続けて会食がある場合は簡潔に済ませて以後の予定を案内し、会食がなくこれで散会となる場合はしっかりとした挨拶が必要です。
6.会食(お斎)
法要後の会食はお斎と呼ばれ、参列者で故人を偲ぶ意味合いがあります。
本来であれば精進料理で参列者をもてなすのが正しい形式ですが、近年ではレストランを予約したり、お寺や自宅でお弁当やお寿司を用意したりすることが一般的です。
会食の終わりには施主が当日最後の挨拶を行い、参列者を見送りながら香典返しを渡していきます。
三回忌の香典と香典返し
三回忌の参列者は香典を用意するのが通例で、施主側はそれに対する返礼品(香典返し)の用意が必要です。
ここでは三回忌における香典・香典返しの相場やマナーについて解説します。
三回忌の香典の相場は1万~3万円
参列者が用意するべき香典の金額は故人との関係によっても変わりますが、近い親族であれば1~3万円が相場です。
● 近い親族(4親等以内が目安)の場合…1~3万円
● 故人の友人・知人の場合…5,000~1万円
これに加え、会食がある場合には食事代として1万円多く包むのが通例です。
夫婦で参列する場合は連名で2名分の香典を包み、食事代も上乗せします。
「4」や「9」は縁起の悪い数字とされていますので、これらの数字が付かない金額となるようにしましょう。
そのほか、三回忌における香典の注意点としては次のようなものがあります。
● 不祝儀袋の表書きは「御仏前(御佛前)」または「御供物料」とする。
● 表書きは薄墨ではなく濃い黒墨で書く。
● 新札には折り目を付ける。(法事では不要とする説もあり)
三回忌の香典返しは手元に残らないものを選ぶ
三回忌の香典返しには食品や消耗品など「手元に残らないもの」を選ぶようにしましょう。
これには不祝儀が残らないようにするためという配慮があります。
お菓子やお茶、石鹸などが一般的です。
香典返しの金額は香典金額の2分の1から3分の1が適切とされています。
1品当たりの1,000~5,000円の商品を選ぶとよいでしょう。
三回忌の服装
三回忌では施主、参列者共に喪服を着用するのが基本です。
しかし、三回忌では必ずしも正喪服である必要はありません。
施主と参列者それぞれの服装について解説します。
施主は正喪服を着るのが望ましい
参列者よりも軽い服装になることを避けるため、施主は正喪服を着用することが望ましいとされています。
男性の正喪服は和装が紋付羽織袴、洋装は黒のモーニングです。
近年では正喪服として紋付羽織袴を着用する男性は少なく、黒いスーツを着用したブラックフォーマルで問題ないとされています。
女性の正喪服は和装が黒の着物、洋装は黒のアンサンブルやワンピースです。
肌が露出していることはマナー違反となるので、洋装であればストッキングやタイツも着用するようにしましょう。
また、施主はパンツスーツも好ましくありません。
アクセサリーについては、キラキラと光るものや豪華な装飾は厳禁です。
男性でも目立つネクタイピンや腕時計は身に付けないようにしましょう。
女性の場合は真珠の装飾であれば身に付けることができます。
参列者は略式喪服でOK
施主より格の高い服装にならないよう、ブラックフォーマルを基本とした略式喪服を着用しましょう。
スーツやワンピースの色は紺やグレーでも問題ありません。
ただし、男性の場合ワイシャツは白を選び、ネクタイと靴下、革靴は黒で統一しておきましょう。
気をつけたい三回忌の3つのマナー
三回忌の案内状が届いた際の対応や、当日のマナーについて解説します。
施主に迷惑をかけたり、恥をかかせたりすることのないよう、マナーを守って参列しましょう。
1.案内状の返事は早めにする
三回忌の案内状を受け取ったら早めに出欠の返信をしましょう。
施主は三回忌に向けてさまざまな準備を行っており、その中には参加人数が定まらないと進められないものもあります。
施主の負担を考慮し、スケジュールの都合がつき次第早めに返事をしましょう。
2.参列できないときは供物や供物料を郵送する
案内状が届いた際は余程の事情がない限り参列することが礼儀です。
どうしても参列が難しいのであれば、施主に断りの連絡をしたあと、本来渡すはずであったお供えや供物料を郵送します。
そこにお詫びの手紙も添えるとより丁寧です。
供物料は香典と同じく不祝儀袋に入れ、表書きを書いた状態で送付します。
送り方は現金書留で、必ず三回忌法要の前日までに届くように手配しましょう。
3.派手な服装やアクセサリーは控える
三回忌などの法要では服装は慣例に従った服を着用することが大切です。
法要の場に相応しくない派手な服装やアクセサリーは控えましょう。
髪色が明るすぎる場合も、本来望ましくはありません。
可能であれば事前に黒く染め直すとベターです。
三回忌法法要は事前の準備が大切
三回忌は四十九日や一周忌と並んで大切な法要です。
施主は会場や香典返し、会食などの準備を早い時期から進めておきましょう。
参列者側も服装や香典を予め用意しておくことで、余裕を持って当日を迎えることができます。 万全の状態で三回忌を迎え、故人を弔いましょう。
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