家族葬にもお通夜はあるの?知っておくべき流れやマナーを解説
家族葬とは、親しい方を中心に見送る葬儀の総称の事で、遺族のみならず、親しい友人なども含めて小規模で送る葬儀となります。
一般的な葬儀(一般葬)が故人の関係者を多く呼ぶのに対し、家族葬の場合「家族しか参列できない」と思っている人も少なくないでしょう。
しかし実際には「家族のみ」と厳格に決められているわけではなく、親しい友人・会社関係の人を呼ぶケースも多いです。
家族葬でお通夜をスムーズに行えるよう、流れだけではなく、知っておきたいマナーについても解説します。
家族葬でも通夜をやるべきか?
そもそもお通夜は「臨終の際の看病の延長にあたるもの」であると言われています。
夜伽(よとぎ)、寝ずの番とも言われ、夜を徹して死者を見守ります。
しかしながら現在では自宅での葬儀は数少なく、公営や民間の斎場を利用して葬儀を執り行う事がほとんどですが、消防法に基づき一晩中火を付けておくこと自体禁じられているケースが多く、宿泊設備を備えていない場合、付き添い自体が出来ない事もあるので、最近では斎場に残って寝ずの番をする方も減ってきました。
お通夜の位置づけに関しても考えてみる必要があります。
葬儀・告別式は日中に執り行うことから、一般参列者が参列しづらく、夜に執り行うお通夜であれば仕事が終わった後でも参列できる事から自然とお通夜は一般参列者の方々の為にあるものと認識されるようになりました。
ですが最近では家族葬が増えている為、お通夜を無しにするケースが増えています。
参列者される方に高齢者が多い場合など、身体の負担も考えてお通夜を無しにして、一日葬にするというケースも見受けられます。
お通夜のあり方について考えると、ご遺族は故人の死を完全に受け入れられたわけではなく、気持ちが常に揺れ動いている状況です。
そのような状態で葬儀を執り行うご遺族の心情を踏まえると、お通夜の夜に「故人を囲んでゆっくりとお別れの時間をもつ」ということはとても大切なひと時なのかもしれません。
家族葬の通夜の流れ
お通夜は時代とともに変化してきたもので、地域によってやり方が異なります。
そのような事を前提として仏式の一般的なお通夜の流れをご説明します。
- 1. 開式の約1時間半前には通夜を執り行う斎場に到着します。
- 2. 葬儀社より導線・座る位置・受付の説明や、生花の名札確認などが行われます。
- 3. 導師(お寺)が到着したらお布施を渡すなどご挨拶をします。
- 4. 開式1時間前から受付を開始します。
- 5. 開式10分前になったら遺族、関係者は着席します。
- 6. 導師が入道〜着席、読経(お経)が始まります。
- 7. 遺族から焼香が行われ、続いて弔問客のお焼香を行います。
- 8. 導師退席前に法話がある場合もあります。
- 9. 地域によって遺族代表が挨拶をしてから、通夜振舞いに案内します。
- 10. 通夜振舞いを行った後に、弔問客は散会します。
- 11. 弔問客でお香典を出した方は帰りに香典返しを受け取ります。
- 12. 通夜振舞い終了後、閉館時間となった後は代表の遺族が斎場に残り、故人に付き添います。地域によってはロウソクの火やお香を絶やさないようにします。
家族葬の通夜のマナー
家族葬の通夜のマナーとして、家族葬は親族のみで執り行う事が多い為、一般会葬することを遠慮する場合があります。
招待されていなければ参列自体が失礼にあたるので基本的には参列は避ける方が多いです。
一般の方が参列する場合には喪主に対して事前に確認をし、連絡先などが分からなければ葬儀社に相談しましょう。
又、親族のみで執り行う事が多いことから式自体少人数なので、お通夜なしの一日葬にするケースもあります。
その場合は斎場に誰もいない状態なので事前に葬儀形態を確認しておきましょう。
服装は通常の葬儀と同じく、準礼服(黒のブラックスーツ)、略礼服(ダークカラースーツ)、女性は黒のワンピースかスーツが好ましいです。
香典は事前に香典辞退の連絡がなければ持参し、受付があればお渡ししましょう。
受付がなければ葬儀社に声を掛け、香典を受け付けているかどうかの確認をする事をおすすめします。
家族葬についてよくある質問
① 家族葬と一般葬は何が違うのでしょうか?
- 一般会葬者が参列出来るか出来ないかが一番大きな違いです。
家族葬の定義は親族・親しい方で送る小規模なお葬式になります。
② 家族葬と密葬は違いますか?
- 密葬は葬儀を親族のみで行い、その後一般に方に向けてお別れ会などを執り行う場合に使う言葉となります。
密葬=家族葬ではありません。
③ 家族葬の費用はどのくらいですか?
- 家族葬の費用は一概にいくらとは言えません。
事前に会葬人数や希望の葬儀内容を葬儀社に伝えて見積もりを出してもらいましょう。
④ 家族葬のメリットは?
- 親族と親しい方のみでゆっくりとお別れが出来ることが最大のメリットです。
⑤ 家族葬のデメリットは何ですか?
- 故人と所縁のある一般の方で参列を志望される方がお別れ出来ない場合があります。
⑥ 喪主は誰がやるべきですか?
- 必ず誰がやらなければならないという厳格ルールはありませんが、高齢の方が喪主をする場合、精神的にも身体的にも負担が大きいことから故人のお子様が成り代わる場合が多いです。
⑦ 家族葬はどこまで呼んでいいの?
- 家族・親戚までは声掛けをしておくべきです。呼んでも来ないだろうという思い込みから、葬儀には呼ばず、一通り終えてから事後報告したところ、「教えてくれたら参列したかった」と言われてしまったケースをよく聞きます。
⑧ ご近所や知り合いにはどの様に伝えたらいいですか?
- 家族葬で執り行う事を伝えれば親族のみのお葬式という事はご理解いただけると思いますが、参列してほしくない場合には事後報告する事も出来ます。
⑨ お寺さんは呼ばないといけませんか?
- 菩提寺がある場合などは寺院を呼ぶ必要がありますが、最近では無宗教でのお別れ会もあり、葬儀形態も多様化しています。
⑩ あまり派手に葬儀をしたくないのですが
- 家族葬は一般葬と比べ、対面的な部分がありませんので無理に大きく、派手にする必要性はありません。
打ち合わせの際、葬儀社にお気持ちを伝えていただければご要望に合わせた葬儀をご提案させていただきます。
まとめ
家族葬のお通夜について必要な知識をまとめました。
近年、家族葬は増えていますが、家族葬が適する場合と適さない場合もあるので慎重に判断する必要があります。故人の遺志で家族葬と言っても、家族葬の定義は明確にはないので親族のどこまでを呼ぶかなどの配慮も大切になってきます。
もしもの時に慌てない為にも、家族葬について今一度話し合っておく事で、少しでも後悔のないお葬式にしましょう。
オリジナル商品のご紹介
画像をクリック
あわせて読みたい
家族葬を10名で行う場合の費用はいくら?相場について解説
家族のみで執り行う家族葬ですが、人数も家族のみ数名から親戚が多い方などは20~30名と同じ家族葬でも人数は違ってくると思います。平均的な家族葬の人数として10名程で執り行う事が多いので今回は家族葬1……
家族葬の費用を安く抑える6つの方法とは?
家族葬というと費用が極端に安いと思われがちですが、それは一部のみの事実です。一般葬と比べると会葬する人数が少ないため、接待交際費(料理・返礼品)の節約は期待できます。しかし、家族葬では香典収入が期待……
家族葬で喪主の挨拶は必要?喪主が挨拶をする際の注意点について
挨拶は短すぎても、長すぎても良くありません。3分程度で簡潔でありながら事務的すぎない内容にしたいところです。葬儀で喪主が行う挨拶のタイミングやポイント、例文なども踏まえながら抑えておくべきポイントを……