家族葬のトラブルについて解説
人が亡くなった時は慌てることが普通で冷静に考えている余裕は全くありません。その中で喪主として決めなくてはいけないことが沢山ある事に不安を感じるはずです。
現在ではよく耳にする家族葬ですが、葬送の長い歴史の中では比較的新しい葬儀形式であることを頭に入れておく必要があります。
家族葬のトラブルは事前の対策で防ぐことができます。
ここでは、家族葬のトラブル事例から具体的な対策をご紹介いたします。
家族葬で起こりやすいトラブルとは
事例1. 死亡記事を掲載してしまい、多くの会葬者が参列する。
新聞を利用した死亡の告知に、死亡記事があります。地方紙によっては一般の人の死亡記事を掲載しているところがあります。新聞は、お悔やみ欄を必ず確認する方もいらっしゃいますので、家族葬で執り行うつもりでいても新聞に掲載してしまうと会葬者も必然と増えてしまいます。
事例2. 家族の思いのみで家族葬を執り行ってしまう
葬儀は送る側の家族の思いが尊重されるべきものですので、家族葬で葬儀を執り行うこと自体、なんら問題ありませんが、故人様と生前親交のある方達の気持ちも尊重し、考えて差し上げる必要があります。
最近あった事例ではご近所、ご友人に事後報告として親族のみで家族葬を執り行ったと伝えた際に「どうして教えてくれなかった」「教えてくれれば参列したかった」と言われてしまうケースがあります。
その後のご友人、ご近所付き合いが難しくなってしまう場合も考えられますので、親しい方々には伝えておいたのが良いかもしれません。
事例3.葬儀に対しての価値観の相違
家族葬という葬儀の形式が十数年前に出来、世間一般に浸透はしてきていますが地域や価値観によっては、葬儀は一般葬として執り行うべきだと考える方も少なくありません。「多くの方にお知らせをして参列してもらうことが故人への供養」「盛大な葬儀をすることで故人も喜ぶ」その様な価値観を持つ方にお身内だけの家族葬は故人様に対し、「失礼」や「可哀想」などと心を悩ます言葉を言われてしまう事もあります。
地域性によっても葬儀形態が違う場合もあるので事前に確認が必要です。
事例4.菩提寺に報告せずに家族葬を執り行ってしまう
先祖代々からお世話になっている菩提寺がある場合には、故人様がお亡くなりになった時点で報告をし、葬儀に来てもらわなければなりません。その際、葬送儀礼の中で戒名授与などがあり、最終的に菩提寺が管理しているお墓に入る事ができるのです。
その報告をせずに葬儀社が手配した寺院にて葬儀を済ませ、お墓に入れてもらおうと報告すると、当然菩提寺から注意され、場合によってはお墓に入れないこともあり得ます。
菩提寺はその後の納骨、年次法要など先の長いお付き合いになるので細心の注意が必要です。
事例5.家族葬で安くなると思ったけど費用負担が大きかった
確かに家族葬は一般葬に比べると小規模化されているので費用を抑えることが出来ます。しかし参列者からのお香典がありませんので、葬儀費用は家族負担になります。費用を抑えたいからという理由だけで家族葬を選択してはいけません。
事例6.葬儀を終えた後に弔問客が訪れる
家族葬を終えた後に「知らなかった」「家族葬なので参列できなかった」という方がご自宅に弔問される場合があります。葬儀後で疲れている中で休む暇もなく弔問客の対応をして体調を崩してしまう方がいらっしゃいます。
家族葬でトラブルを回避するための方法について
家族葬に慣れた葬儀社を選ぶことも大切です。慣れた葬儀社であれば事前に注意事項を教えてくれるでしょうし、トラブルの際にも迅速な対応をしてくれます。又、一人で葬儀社と打ち合わせをするのではなく、親族にも同席してもらい一緒に考えた上で意見を聞く事も大切です。
例えば葬儀日程をお知らせする訃報通知などに「本人の意思により家族で執り行います」などの文面を入れるだけでも、ご家族の意向ではなく、亡くなった故人様の遺志という事であれば、家族葬を執り行う上で理解を得られやすいです。
家族葬と言っても家族のみなのか、親戚をどこまで呼ぶのかなど話し合っておくことも大切です。
打ち合わせの段階で葬儀をお知らせする範囲、参列して欲しい人、香典・供花・供物は辞退するのか受け取るのか、など決めて置くことが重要で後から変更するとトラブルになりがちです。
まとめ
家族葬のトラブルについて必要な知識をまとめました。
家族葬では上記で紹介したように大きく分けて、3つのトラブル(会葬者・寺・金銭)が発生します。
家族葬は家族だけでゆっくりと故人様とのお別れの時間を過ごす事が出来る葬儀形式ですので、優先順位を明確にし、もしもの時に慌てない為にも、ご家族で家族葬について一度話し合っておく事で後悔のないお葬式を執り行う事が出来ます。
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